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治療抵抗性統合失調症患者に対するクロザリルの安全性と有効性を24週間にわたり検討する。
治療抵抗性統合失調症患者 43例
以下の基準をすべて満たす患者を対象とした。
多施設共同、非対照、非盲検試験
初回投与日には12.5mgを1日1回朝投与した。原則として、3週間かけて200mg/日まで増量することとし、有害事象発現により規定の漸増が困難であると医師が判断した場合には、より緩徐な増量を行うことを可とした。漸増終了後は、臨床効果と耐容性を観察しながら、医師の判断により適宜増減*した。また、最大効果が得られた後は、漸減して可能な限り低用量で維持することとした。
*増量については、以下の留意事項に従うこととした。
好中球減少症・無顆粒球症、心筋炎・心筋症等の重篤な有害事象発現のため本薬の投与を緊急に中止しなくてはならない場合は、精神症状の再燃など十分に注意した。また、緊急を要さない場合は、2週間かけ精神症状の変化に注意しながら漸減終了することとした。
治療期24週間(漸増期3週間、維持期21週間)、漸減期2週間(中止時)、後観察期4週間
安全性
有害事象、血液学的一般検査、CPMS-Jの一般化可能性
有効性
以下の18項目*からなり、評価は「1.なし」、「2.ごく軽度」、「3.軽度」、「4.中等度」、「5.やや重度」、「6.重度」、及び「7.最重度」の7段階で行った。
* 心気症、不安、情動的引きこもり、概念の統合障害、罪責感、緊張、衒奇症と不自然な姿勢、誇大性、抑うつ気分、敵意、猜疑心、幻覚による行動、運動減退、非協調性、不自然な思考内容、情動の平板化、興奮、見当識障害
CGI-Cは全般評価に関するベースラインからの変化を示す。「1.著明改善(Very much improved)」、「2.中等度改善(Much improved)」、「3.軽度改善(Minimally improved)」、「4.不変(No change)」、「5.軽度悪化(Minimally worse)」、「6.中等度悪化(Much worse)」、「7.著明悪化(Very much worse)」の7段階で患者の状態を評価した。なお、評価者は医師に相談することなく独自の判断により評価した。
CGI-Sは全般評価に関する重症度を示す。「1.Normal, not at all ill(正常)」、「2.Borderline mentally ill(精神疾患の境界線上)」、「3.Mildly ill(軽度の精神疾患)」、「4.Moderately ill(中等度の精神疾患)」、「5. Markedly ill(顕著な精神疾患)」、「6.Severely ill(重度の精神疾患)」、「7.Among the most extremely ill patients(非常に重度の精神疾患)」の7段階で患者の状態を評価した。
ベースライン及び投与12週後で実施されるBPRS評価時の患者の診察状況をビデオに録画した。患者ごとの2本のビデオテープ(ベースライン及び投与12週後)はランダム化され、その後、本試験の実施に関与しない3名の精神科医よりなる第三者評価者が、ランダム化された患者のビデオ映像(最初にベースラインその後投与12週後の閲覧又はその逆)により患者の状態を観察し、個々にCGI-S評価を実施した。
安全性
BPRS合計スコアは、投与前は64.4±10.90(平均値±標準偏差、以下同様)で、投与4週後から経時的に低下し、変化量が投与12週後で−14.0±11.33、投与24週後で−21.2±11.11でした。最終評価時のスコアは47.2±15.47、変化量が−17.2±13.78であり、投与前と比較して有意に低下しました(t検定、p<0.0001)。

BPRS合計スコア改善例*は投与4週後から9例に認められ、その後も経時的に増加し、投与12週後で21例(55.3%)、投与24週後で27例(79.4%)、最終評価時で29例(67.4%)でした。
*BPRS合計スコア改善例とは、投与前のBPRS合計スコアを基準として各評価時点でスコアが20%以上低下した患者と規定した。

患者の状態(全般評価)について、ベースラインからの変化を看護師独自の判断で評価したところ、投与12週後では、中等度改善以上の患者が38例中17例(44.7%)に、軽度又は中等度悪化の患者が38例中3例(7.9%)に認められました。投与24週後では、中等度改善以上の患者が26例中14例(53.8%)に認められましたが、軽度悪化~著明悪化の患者は認められませんでした。

BPRSでの本剤の効果を、他の有効性指標から裏付けるために、第三者の精神科医による患者のビデオ映像に基づくCGI-Sを実施しました。投与12週後にベースラインからスコアが改善した患者は、評価者A、B、及びCで、それぞれ14例中8例(57.1%)、10例(71.4%)、7例(50.0%)、スコアが悪化した患者はそれぞれ14例中3例(21.4%)、4例(28.6%)、2例(14.3%)でした。評価者3名のいずれの評価でも、スコアが4段階以上改善又は悪化した患者は認められませんでした。

副作用は43例中42例(97.7%)に発現しました。特に発現率が高かった副作用は、傾眠(74.4%)で、以下、流涎過多(41.9%)、便秘(34.9%)、アラニン・アミノトランスフェラーゼ増加(25.6%)、悪心(23.3%)、嘔吐(20.9%)、白血球数増加(20.9%)でした。

また、本試験において、無顆粒球症が1例(2.3%)に発現しましたが、Clozapine患者モニタリングシステム(CPMS-J)の投与中止基準に従い、クロザリルの投与は中止され、患者は回復しました。